【個人インタビュー】小栗瑛哉選手 ”3年生ながらも圧倒的なキャプテンシーでチームを引っ張る”

1部リーグの開幕に向けたチームインタビューの番外編として3人に対する個人インタビューを掲載します。1人目は大阪産業大学#20 小栗瑛哉選手(3年/PG/開志国際高校)です。高校時代はキャプテンとしてインターハイ優勝を経験し、大学では2年生から共同キャプテンに就任するなど大阪産業大学の中心選手として活躍している小栗選手。
自身初の1部リーグを戦う意気込みとは。高校時代の秘話を含めてお聞きしました。

開志国際高校時代を振り返って(インターハイ優勝など)

—— 開志国際高校時代を振り返ってどうでしたか?

今から振り返ると充実したとても密度の濃い3年間を過ごせたと思います。現役の頃はただただ必死に練習を積んでいたので、苦しいと感じることなども無かったです。

—— 中学校時代に数多くの高校から推薦もあったと思いますが、開志国際高校を選んだ理由はどこですか?

ありがたいことに色々な高校からお声がけを頂いていたんですけど、開志国際高校に入学を決めた理由は2つあります。一番大きな理由は富樫英樹先生がご指導されていることでした。富樫先生は(現)日本代表の富樫勇樹選手のお父さんで、アンダーカテゴリーでもヘッドコーチをされていただけでなく、公立中学校の新発田市立本丸中学校を全国大会常連校に導いた名将なので、直接ご指導して頂きたいと考えて入学しました。2つ目は留学生の存在です。神戸医療福祉大学#23 シラエルハジアサン(3年/C/開志国際高校)と一緒にプレーして、新たな伝統と歴史を作りたいと思いました。

—— 富樫先生から直接お誘いの言葉はありましたか?

自分の出身である岡山の地元まで直接お越し頂いて、お話を伺った後に練習を見に行きました。直接練習を見る事でメリハリの付いたチームの雰囲気を体感する事ができて「ここで全国制覇を目指そう」と思い、入学を決めました。

—— 創部5年目での優勝は歴史的に見ても大きな快挙だと思いますが、ご自身振り返ってどうですか?

未だに周りの人から「凄いことだね」と言われることがよくあるんですけど、1期生と2期生の先輩方がいなかったら達成できなかった事ですし、大阪産業大学で一緒にプレーしている#55 高木拓海選手(2年/PG/開志国際高校)を中心とする下級生がいなければ成し遂げられなかった優勝だと思っているので、チーム一丸となって全国制覇という大きな目標に向かって練習を重ねた成果だと思います。

—— キャプテンとしてインターハイ優勝を経験されましたが、当時のチームで決め事などはありましたか?

自分たちは開志国際高校の3期生で初めて1年生から3年生までそろった学年だったので、自分たちが3年生になった時にはバスケットボールの技術以外の私生活を含めた部分も大切にしようと話し合い、徹底した結果がインターハイ優勝に繋がったと思います。

大阪産業大学入学 ~ 関西選手権までを振り返って

露口亮太 監督

—— 大学進学にあたって多くのチームから推薦があったと思うんですけど、大阪産業大学に進学を決めた理由は何ですか?

正直な話をすると自分が進学を決めた時期はまだ1部リーグに所属していたんですけど、入学前に2部リーグに降格してしまったという裏話はあります(笑)
富樫先生が日本体育大学のご出身で大阪産業大学の部長である瀬戸孝幸先生の後輩だったこともあり、富樫先生から瀬戸先生のお人柄を伺っていたので「富樫先生が薦めて下さっている瀬戸先生の下でバスケットボールをやりたい」と思うようになりました。実際に部長の瀬戸先生と監督の露口先生が直接高校まで足を運んで下さり「一緒にインカレを目指そう」と言って頂けた事が決め手になりました。

—— 大阪産業大学入学時の4年生には関西選抜でキャプテンも務めた大町佑介選手がいましたが間近でプレーしていてどうでしたか?

高校は学年差が2年なのに対して大学では学年差が3年になって、たった1年の差でフィジカルや技術だけでなくメンタルでもここまで違うのかとその差に驚きました。特に大町さんはフィジカルが凄かったので、絶対に練習でもマッチアップをしたくないと内心では思っていました(笑)
試合には1年生から出さして頂き、自由にプレーさせて頂けたのでとても楽な気持ちでプレーをすることが出来ました。

—— インターハイ優勝を経験した小栗選手が高校と大学で感じた違いはどこにありましたか?

デビュー戦だった関西選手権では自分の持ち味であるシュートを確立良く決める事ができたので、自信を付ける事ができました。その一方で、1部リーグに所属している大阪学院大学と対戦してフィジカル面での差や同じポイントガードの選手のゲームへの支配力に大きな差を感じました。特に現在はBリーグのアルバルク東京でご活躍されている吉井裕鷹選手(2021年卒/PF/大阪学院大学高校)には度肝を抜かれました。

—— 1年生で唯一の関西選抜選出でしたが、関西のトップレベルの選手たちとプレーをした感想はどうでしたか?

毎回の練習や試合が勉強の連続で食らい付くのに必死だったんですけど、自分らしいプレーを常に心がけていました。印象的な選手は藤本巧太さん(2021年卒/PG/育英高校)です。藤本さんのドリブルからジャンプシュートへの持って行く流れやピックの使い方は今まで見てきたどの選手よりも上手だったので、コート外でもコツなどを色々と聞いたりもしていました。

—— 選抜チームでの活動で印象的な事はありましたか?

韓国遠征は本当に楽しかったです。京都産業大学#10 上田隼輔選手(4年/SF/尽誠学園高校)・大阪学院大学#71 小川真興選手(4年/SF/小林高校)・吉井選手とは仲良くさせて頂いたんですけど、普段はバスケに関する話はあまりしなくて常に笑い話をしていました。

—— 全勝優勝を飾った昨年のリーグ戦を振り返ってどうでしたか?

コロナ対策を徹底しながらリーグ戦に向けて強度の高い練習をすることに初めはなかなか慣れなかったんですけど、段々とコロナ対策が日常化してからは練習に集中して準備を進められたことが全勝優勝に繋がったと思います。

—— 1部リーグ昇格を決めた時の感想はどうでしたか?
素直に嬉しかったです。大学に入学した時から1部リーグでプレーすることを目標にやってきたので、3年生で昇格できたことは時期的にも良かったと思います。

—— 関西選手権を怪我で欠場してしまいましたが、客観的に振り返ってどうでしたか?
全体的に不甲斐ない試合をしてしまい、動画で観ていて何かを感じる事や感じさせることができなかったのが大きな印象でした。怪我で出場できなくてチームに迷惑を掛け、申し訳なかったんですけど、チームにはコミュニケーションをもっと積極的に取って原点であるディフェンスからやり直そうと伝えました。

様々な疑問をぶつける質問コーナー

—— 開志国際高校の同級生である和田選手が青山学院大学でインカレに出場されている事は自身の刺激にもなりますか?

高校時代に共に頑張っていた同級生が全国の舞台で活躍している姿を見る事は嬉しい反面でやっぱり悔しい気持ちも強いので、絶対にあの舞台に立ってやろうという自分のモチベーションに繋がっています。

—— 高校時代の相棒だったアサン選手と敵チームで対戦してみてどうでしたか?

弱点はお互いに分かっている状態だったので1巡目は勝つことができたんですけど、2巡目はアジャストされただけでなく、高校時代に無かった3Pも打つようになっていたのでプレーの幅が広がって進化しているのを感じました。アサンとは今でも誕生日の時など節目で連絡を取り合っています。

—— 小栗選手は大阪産業大学のポスターにもなっていますが、ご自身ご覧になってどうでしたか?

本当にあれは恥ずかしいです。学部で1人選ばれる話があって自分が選ばれることになって写真撮影をしたんですけど、あんなに大きく電車に張り出されると思ってなかったのでビックリしました(笑)

—— 小栗選手は背番号20番を付けられていますが何か理由はありますか?

開志国際高校の先輩である伊藤領さんが東海大学で付けられている背番号が20番だったので、伊藤さんリスペクトで20番を付けています。

—— 開志国際高校の後輩である髙木選手も大阪産業大学に進学されましたが小栗選手からお誘いの言葉などは掛けられましたか?

進学を迷っていた時期に「大学でもまた一緒にやらないか」と声はかけました。私生活での高木は抜けてる所があって頼りがいが無いんですけど、いざコートに立つと信頼できるポイントガードで一緒に出ている時にはシューティングガードに徹して得点を取る事に集中する事ができます。高校時代から一緒に出場してきて積み上げた経験に基づく、高木がパス役で自分が走る役というディフェンスからのファーストブレイクのスタイルは確立できています。

—— 2年生から共同キャプテンをされていますが、苦労した所などはありましたか?

個人的にはキャプテンは最上級生がやるものというイメージがあっただけでなく、去年はコロナによって練習開始が7月からになってしまったので、どのようにチームをまとめ上げて試合をイメージさせた練習をすることができるのかで悩んだ部分はありました。

リーグ戦に向けて

—— 今年のチームの注目ポイントはどこですか?

関西選手権で対戦した京都産業大学からディフェンスのプレッシャー強度は学ぶ所があったので、オフェンス面ではキープ力の向上や1on1で抜く力を付けてきましたし、ディフェンス面ではこちらもボールマンプレッシャーやディナイの強度を高めようと決めて練習を積んできたので、チーム全員が足を使って動き続けるディフェンスに注目して欲しいです。

—— 自分の強みを教えてください。

シュート力には自信があります。自信がなければ打つ事ができないと思っているし、自信を持てるだけの練習量を積んでいると思っているので、シュートを打つ時は自信を持って打つように心がけています。でも、まだまだ自分は好不調の波が激しい時とかもあるので、常に安定して決める事ができるように練習を積んでいきたいです。

­—— イチオシ選手を教えてください。

#15 真鍋香槻(3年/C/大商学園高校)です。チーム唯一のセンターですし、関西選手権後にはウエイトトレーニングを増やして改めて体づくりをしているだけでなく、コーチと練習している成果が発揮されてきていると思うので、期待しています。

—— ライバル選手や意識しているチームを教えてください。

マッチアップする選手や対戦するチームには負けたくないと思っているので、特定の選手やチームは無いんですけど、京都産業大学#2 北條海樹選手(4年/PG/関福大金光藤蔭高校)はハンドリングが凄いだけでなくシュート力も高いので動画を見てしっかりと研究がする必要があると思います。

—— 初戦の京都産業大学戦に向けて意気込みをお願いします。

リーグ戦の初戦に勝つと負けるとではその後の雰囲気が全然違うものになると思いますし、関西選手権でやられた借りもあるので、自分たちのやってきたことを信じてチーム一丸となってコートで表現する事ができれば自ずと結果はついてくると思います。

—— 最後にリーグ戦に向けての意気込みをお願いします。

個人の活躍よりもチームで勝ちたいという思いがあるので、観ているファンの方々や会場に来れないチームメイトにも感動を届けられるよう、自分の役割である得点を取ることを全うしてチーム一丸となって勝利を掴みます。


昨年のリーグ戦では2部リーグで全勝優勝を果たして1部リーグ昇格を決めた大阪産業大学。関西選手権を怪我で欠場したエースの真価が問われるリーグ戦で#20小栗瑛哉選手は爆発する事はできるのか。圧倒的なキャプテンシーでチームを引っ張るエースの姿に注目が集まる。

1部リーグは全試合のYouTube LIVE配信を実施します。要チェック!
https://www.youtube.com/channel/UCN63sYojuQOIVl3BZgApVWw

写真提供:FASTBREAKS

広報渉外部 長友優典
競技部 大塚涼央

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