1部リーグの開幕に向けたチームインタビューの番外編として3人に対する個人インタビューを掲載します。最後は大阪学院大学#30 金田龍弥選手(3年/SF/大阪学院大学高校)です。オールラウンドなプレースタイルでBリーグから大きな注目を集める金田選手。
吉井裕鷹さんという大黒柱が抜けたチームを支える若きエースに特別指定選手の秘話から今年のリーグ戦の意気込みなど様々なお話をお聞きしました。
大阪学院大学に入学するまで
—— これまでの経歴を簡単に教えてください。
小学校3年生からバスケを始めました。中学生の間は、選抜などに選ばれることはなかったんですけど、大阪学院高校から推薦を頂き入学しました。高校在学時にU18の日本代表に選ばれたんですけど、大阪学院大学への進学を決めた後に選出されたこともあり、他大学からのお声掛けはそれほど多くはありませんでした。大阪学院大学入学後はU20の合宿などにも参加しました。
大阪学院大学入学後 ~ 昨年のリーグ戦を振り返って
—— 高校と大学で感じた違いなどはありますか?
1回生の頃ずっと怪我してて、最初に出場した試合が関西選手権の天理大学戦だったと思います。高校の時は、身長が高いこともあり、インサイドでは思うように得点できていたんですけど、大学に入ってからは留学生も多くいて、自分の体格やフィジカルでは通用しないことがありました。でも、アウトサイドシュートは得意なので、高校時代にはあまり多用しなかったアウトサイドからの攻撃は通用すると感じました。
—— 1年生の頃は怪我で試合に出場する機会が少なかったと思いますが、外から見てて何か感じたことはありましたか。
高校に比べて段違いにレベルが高いと思ったんですけど、京都産業大学の大庭岳輝さんや天理大学の佐々木隆成さんなど関西トッププレーヤ―と対戦してみたい気持ちが強くて早く出場したかったです。
—— 昨年から本格的に出場できるようになった一方で、コロナにより練習ができない時期が続きましたが、当時の心境はどうでしたか?
コロナの影響で1~2ヶ月ほど練習や試合ができなかった中で、リーグ戦を迎えた時に他のチームの完成度など不明な点が多くありました。吉井選手もいて優勝できる年だったにも関わらず、準備不足が影響して結果的には3位で終わってしまっただけでなく、インカレ出場も辞退せざるを得ない形となってしまい、全体的にコロナに振り回された1年でした。
—— ご自身の活躍を振り返ってどうですか?
関西No.1選手でチームの要でもある吉井さんが活躍して下さっていたので、自分はサポートに回る形だったんですけど、スタメン出場しているにも関わらず、アウトサイドシュートの調子が上がらずに得点をあまり取ることができませんでした。チームの成績は3位入賞を果たしましたが、自分自身は不甲斐ない結果に終わってしまったので、もっと得点を取る事ができていれば優勝できたのではないかと思います。
—— 関西学院大学戦は3Qまで接戦を演じていたものの、4Qに4-20のランをされて敗戦する形となりましたが、振り返ってどうでしたか?
試合の出だしが良くて、序盤に点差を開けることができたので油断してしまい、中盤からズルズルと巻き返される形になってしまいました。4Qは全く得点することができずに呆気にとられる状態で負けてしまったので、オフェンスでの立て直しが急務でした。
—— 小西選手が36得点と大暴れでしたが、ディフェンスにおいて苦労されましたか?
厳しくマークしようというのは試合前から話していたにも関わらず36点取らせたというのは自分たちの小西選手に対する認識とディフェンスが甘かったです。
—— 近畿大学戦を振り返ってみてどうでしたか。
正直言うと、勝てると思っていませんでした(笑) 吉井さんはもちろんのこと、#0 深田怜音(2年/SF/中部第一高校)も序盤から立て続けにシュートを決めて、点差を離されることなく終盤まで持ってくることができたので、最後のあのシュートに繋がって勝つことができたと思います。正直言うと最後の吉井さんのシュートはタフショットだったので、ラッキーな部分もあったと思うんですけど、自分たちは吉井さんなら決めてくれると信じていました。
—— 最終日の天理大学戦を振り返ってみて、どうでしたか?
試合前は勝てるかなと思っていたんですけど、いざ試合が始まると相手の勢いが凄くて圧倒されたままやられたという印象です。天理大学は#55 ディアライソフ(3年/C/福岡第一高校)を始め身長が高い選手が多くて、インサイドで点を取ることが難しかった上に、チーム全体としてアウトサイドシュートも調子が悪かったので、相手に上手くアジャストされてしまいました。
—— 身長やポジションで被る部分が多い、吉井選手から学ぶことは多かったですか?
バスケットボールへの情熱が凄くて常にハードワークするなどストイックなだけでなく、チームの誰よりも勝ちたいという気持ちが強かったでした。自分も吉井さんと似たようなプレースタイルではあるんですけど、情熱やストイックさという面は自分に足りていない部分なので勉強になりました。
—— 高校までのトーナメントと違い連戦が普通のリーグ戦のスケジュールに関してはどうでしたか?
土日の連戦というのは初めての経験で疲労も結構あったんですけど、毎試合ずっと出場しているというわけでもなかったので、そこまでしんどくは無かったです。
特別指定選手でBリーグを経験して
—— 西宮ストークスから特別指定選手に選ばれてどうでしたか?
最初はただ単に練習生として行くという話だったんですけど、練習に2~3回ほどお邪魔させて頂いているうちに「特別指定選手で入ろうか」とお話を頂きました。初めは特別指定選手に選ばれたことは実感が湧かなかったんですけど、とても貴重な経験をさせて頂くことができました。自分がBリーグを経験することで1番成長できたと思うところはディフェンス面ですが、中・高・大と留学生と同じチームでプレーした経験がなかったので、外国人選手とプレーしたことで、普段やらないシューティングガードやスモールフォワードで出場したことはプレーの幅を広げるきっかけになりました。そして、自分は結構人見知りをするタイプなんですけど、お客さんの前で話す機会も多くて、人前で話すことに少し慣れることができました(笑) 特別指定選手としてBリーグでプレーできたことはとても楽しかったので、もしまたお声がかかる機会があれば、様々なチームに行って経験を積みたいです。
関西選手権を振り返って
—— 初戦の大阪商業大学戦を振り返ってどうですか?
相手も本調子ではなかったと思うので負ける気はしませんでした。大阪商業大学#0 武本祐ルイス選手のアウトサイドシュートは効率よく決まっていたので得点を重ねられたんですけど、自分たちのディフェンスに問題点が多くあったと思います。
—— 関西学院大学戦を振り返ってみてどうですか?
チームとしては序盤に勢いよく連続得点して点差が開いた感じだったんですけど、最後には詰められるという、去年のリーグ戦と似たような展開になってしまいました。でも、去年のリーグ戦でやられた小西さんを抑えたことが勝ちに繋がったと思います。また個人としては、関学の試合までは結構調子よくシュートを決めていたんですけど、関学戦はあまり入らなくて、課題の残る試合になりました。
—— 小西選手を抑えるという点で何か工夫したことはありますか。
試合を始まる前から言っていたのが、1本目のシュートを気持ちよく打たせないようにしようということです。結果的には1本目を決められたんですけど、去年の反省も踏まえてチーム全体で絶対に小西さんを止めることができました。
—— 金田選手はこの試合で13リバウンドとダブルダブルを記録しましたが、リバウンドに対して何か意識したことはありましたか?
吉井さんがやっていたこと以上に自分がやらなければいけないと思っていたので、自分がリバウンドを取ってそのまま得点に繋げて、チーム全員でディフェンスをすることが勝利に繋がると考えてプレーしていました。
—— 天理大学戦で#51 志冨田選手に決勝点となる逆転ブザービーターを決められたときどう思いましたか?
まず初めに悔しかったというのはありますけど、ただ自分たちの詰めの甘さが出てしまい、厳しいマークの中でもシュートを打たせてしまいました。自分自身も前半に点を取ることが出来なくて個人的にもしてやられたなという印象でした。
—— 天理大学に対してやりにくいなど苦手意識はありますか。
去年のリーグ戦もそうですけど、自分としては凄いやりにくい相手だなと思っています。去年は吉井さんがいたこともあり、自分がきつくマークされるということはなかったんですけど、今年はディフェンスが得意な志冨田選手にマークされて、自分がそのプレッシャーに勝てませんでした。今年から自分がエースとしてプレーする中で、相手チームもそれを分かって対策をして来ることに対して、それ以上のプレーをする必要があると思います。
—— 京都産業大学戦についてはどうでしたか?
前日の天理大学戦のこともあり、集中して試合に臨むことができずに結構点差を開けられてしまいました。ただ、試合中は「勝てるな」というイメージを持てたのでリーグ戦ではやり返したいです。
—— 選手権大会を通してリーグ戦につながるなと思ったことはありますか?
チームとしてはやはりディフェンスの強化を意識的にやっているんですけど、個人としては去年のリーグ戦以上に今回の選手権大会では疲労も溜まっていて、しんどかったなという感じなので、もっと体力付ける必要があると感じました。あとはもう点を取るしかないっていう感じです。
リーグ戦に向けて
—— 自分の注目ポイントを教えてください。
自分は最近、将来プロを目指しているからにはどこのポジションでも守れるようになるという意識でディフェンスをしているのでそこを観て欲しいのと、あとはアウトサイドシュートなどの得点面は注目して欲しいです。
—— チームメイトの中で注目して欲しい選手は。
自分的に1番期待しているのは#10佐々木綾聖(2年/SF/白樺学園高校)で、関西選手権を見ても1年を通して凄く成長しているなと感じています。自分がストークスから帰ってきた時も随所に凄く成長した部分が見えてたので、リーグ戦では佐々木の強靭なフィジカルを活かした力強いドライブに期待してます。
—— ライバル選手や意識しているチームを教えてください。
特定の選手はいないんですけど、自分は点取ることが仕事なので、各大学のスコアラーやエースよりも得点を重ねたいです。意識しているチームはやっぱり天理大学です。関西選手権では悔しい負け方をしたので、次こそは絶対に勝ちたいと思います。
—— リーグ戦への意気込みをお願いします。
今年は「関西で優勝すること」を目標に掲げているんですけど、ただ優勝するだけではなくて全勝して優勝することと、個人的には去年の吉井さんよりも点を取って行きます!
関西選手権では悔しい敗戦を喫した大阪学院大学。特別指定選手を経験して大きく成長した#30 金田龍弥選手はオールラウンドな活躍で昨年のエース吉井裕鷹さんを超えることはできるのか。チームの成績と共に個人の活躍にも注目が集まる。
1部リーグは全試合のYouTube LIVE配信を実施します。要チェック!
https://www.youtube.com/channel/UCN63sYojuQOIVl3BZgApVWw
写真提供:FASTBREAKS
広報渉外部 榎本貴斗
長友優典