平成19年度関西学生リーグ戦(一部)展望

【総合展望】2007年度リーグ戦がいよいよ開幕。昨年度同様、一巡のみの総当り戦で行われるため波乱が起きることは必至、各チームの意気込みも並大抵なものではないだろう。4チームという限られたインカレ出場枠を掴み取るためには、一試合一試合を取りこぼすことなく確実に勝利していくことが絶対条件である。春から積み上げてきたチーム力を存分に発揮し、二ヶ月にもわたる関西最強決定戦を制するのはいったいどのチームか。


【京都産業大学
昨年度、絶対的な力でリーグ戦を制した京都産業大学。安定感あるゲームメイクと得点力でチームを率いるガード立石和也(4年・桜宮高) と、精悍なプレイでチームを支えるヌエン・ブ・ダアト(4年・北須磨高)の最上級生コンビの活躍が勝利への鍵を握る。その他にも、波のないオフェンス力で得点を積み上げる菊地達也(2年・仙台高)や、敵に臆することなく高さと力でリバウンドをもぎ取る田代拓也(2年・東住吉工業高)、高確率で3Pを沈めるシューター坂本裕基(3年・高岡工芸高)と中・外のバランスの良いメンバーが揃っている。関西選手権、西日本大会と涙を飲んだ今年度無冠の王者のリーグ戦にかける思いは熱い。


【大院大学】
堂々の準優勝、昨年度旋風を巻起した大阪学院大学。高い精度を誇る3Pシュートとドライブが武器の廣岡琢磨(4年・淀川工業高)、フルスロットルでコートを駆け回るルーキー平岡明(1年・金沢高) のアウトサイド陣に加え、力強い1ON1で見るものを圧倒する濱中隆幸(2年・金沢高)、巧みな駆け引きと技術で敵を翻弄する和田幸樹(4年・愛工大名電高) などオフェンス力は抜群。試合ごとに存在感を増すセンター三井啓資(3年・淀川工業高)の高さあるリバウンドなど、最終クォーターまで落ちることの無い運動量と闘志で、昨年度届かなかった優勝を目指す。


【大阪商業大学】
ディフェンスに定評のある大阪商業大学。キレのあるドライブでチームに勢いをもたらす植西正男(4年・大阪商業大高)、高確率のアウトサイドシュートが武器の村上大介(2年・東住吉工高)、力強いオフェンスで得点を量産する点取り頭の稲田琢磨(4年・瀬田工高)に、インサイドでは恐れを知らないリバウンドで敵を圧倒する中井亮太(3年・星翔高)、ミドルエリアまで器用にこなす三好宏和(3年・大阪商業大高)らを中心に常に安定感のある試合を展開。完成されたセットオフェンスと、粘り強いディフェンスでリーグ制覇を目指す。


【大阪体育大学】
力強い選手を多数擁する大阪体育大学。堅実なインサイドとリバウンドに長ける塚本洋平(4年・長崎西高)、優れた運動能力と、打点の高いミドルシュートが武器の渕上悠(4年・小林高)がインサイドで一際の存在感を放つ。アウトサイドからは室井大(4年・浜松商業高)が軽いタッチで3Pを量産し、圧倒的なスピードを持つ池原慶紀(1年・北中城高)が試合を速い展開へと導き、高確率のシュートとリバウンド力を武器に堅実なバスケットで勝利を目指す。また、タイトなディフェンスを見せるチームの絶対的司令塔・西堀亮(4年・八幡工業高)のゲームメイクにも注目である。


【近畿大学】
関西選手権を制し、今年度二冠を狙う近畿大学。人並み外れた身体能力を持つオフェンスの要・水戸健史(4年・高岡商業高)を筆頭に、ガード山城拓馬(4年・沖縄前原高) の計算されたゲームメイク、シュートセンス抜群の山下敦史(4年・奈良一条高)のアウトサイドシュート。ゴール下に君臨するパワフルセンター・坂口大昌(3年・北海道白石高)や、強靭な肉体とテクニックを合わせ持つ左官磨育(4年・東山高)など、その他にも主力となる選手が多数揃う近畿大学。真骨頂である高いオフェンス力はもちろん、ディフェンスも鉄壁。今大会優勝に最も近いチームと言っても過言ではない。


【立命館大学】
今期急成長を遂げている立命館大学。関西屈指の得点力を持つガード高田紘久(3年・東住吉工高)を起点に、勝負所の3Pが光る期待のルーキー西原龍平(1年・大商学園高)と、爆発的なオフェンス力を持つ関西の得点王・田中洋貴(2年・佐賀北高)がコート上で大暴れ。インサイドでは、持ち前の高さで得点・リバウンドを積み重ねる津本直哉(2年・光泉高)、堅実に自分の仕事をこなすチームの大黒柱・山口時生(4年・倉敷青陵高)らのセンター陣が奮闘。関西選手権で惜しくも逃した優勝をこのリーグ戦で狙う。


【関西大学】
今期あと一歩の所で結果を残しきれていない関西大学。優れた身体能力で得点とリバウンドを量産する阪下博則(4年・市立尼崎高)、確率の高いシュートが武器の高橋得人(3年・育英高)、クイックネスに富んだ攻めを得意とする高松達平(3年・奈良一条高)を中心にオフェンスを展開し得点を重ねる。高い位置でもぎ取るリバウンドとブロックショットが魅力の吉田勇太(2年・鳥羽高)、堅実なプレイを見せる足立潤哉(4年・摂陵高)、スピーディーなゲーム運びでチームに勢いをもたらす竹本涼(1年・洛南高)らはディフェンスにおいても信頼度は高い。爆発力を秘めたオフェンスとタフなディフェンスで相手チームを翻弄し、2年振りのインカレ出場を目指す。


【大阪産業大学】
西日本ベスト4と調子を上げてきた大阪産業大学。スピード感溢れるドライブと熱いディフェンスをみせる松口陽平(4年・村野工業高)、安定したシュート力が持ち味の池田弘顕(3年・四条畷北高)、勝負所で3Pを沈める佐々木龍郎(3年・新潟商業高)のアウトサイド陣は脅威である。爆発力のあるリバウンドのキーマン・馬上誠吉司(4年・日高高)がインサイドに陣取りガッツ溢れるプレイを披露し、スピードが身上のアシスト量産型ガード寺畠慎吾(4年・美鈴が丘高)がチームをまとめ上げ、例年通り積極的なディフェンスからファーストブレイクを仕掛けるバスケットでリーグ制覇を目指す。


【天理大学】
多彩なセットオフェンスが魅力の天理大学。規格外の身体能力を持つ吉田雄治(4年・長崎日大高)を筆頭に、視野が広くパスの冴えるガード知念恭平(3年・糸満高)、アウトサイドシュートと優れたディフェンス力を持つ野口翔(3年・豊浦高)、広いシュートエリアを持つ根来新之助(2年・岸和田高)と豊富なタレントが揃う。そこに超人的な高さとバネを併せ持つサンバ・ファイ(1年・明徳義塾高)が加わりリバウンド・得点を量産。高さのアドバンテージにどのチームも苦戦必至、確固たるスタイルで虎視眈々と優勝を狙う。


【関学大学】
堅いディフェンスが武器の関西学院大学。驚異的なシュート力で得点を量産するエース松本義久(4年・関西学院高)を筆頭に、高さを活かした打点の高いシュートとリバウンドを量産する秋田和広(3年・長良高)、優れたフィジカルでゴール下を攻守供に支える今田孝則(2年・東山高)、経験を積むにつれ頭角を現してきた小林左将(3年・洛南高)、ゲームキャプテンの劉s志(4年・関西学院高)が関学大得意の速い展開のバスケットを演出し勝利を目指す。近年リーグ戦では低迷が続いているためメンバー全員が力を合わせどこまで勝ち星を増やす事ができるか期待したい。


【甲南大学】
今年度未だ成績に恵まれていない甲南大学。チームに欠かせない存在のオフェンスマシーン伊藤大(4年・名古屋高)を中心に、ガード澤山政義(3年・近畿大学付属高)の強烈なドライブインと的確なアシスト、持ち前のアグレッシブさと突破力で敵を崩す横井智(3年・名古屋高)と多彩な武器を持つ。それに加え、ミスを恐れず果敢にリングを狙う松本和樹(4年・加古川西高)、懸命なプレイで試合の流れを変えるチームの起爆剤・百々恭平(2年・高松商業高)など、それぞれの個性が噛み合ったときに驚異的な強さを発揮する。40分間フルに走り抜く全員バスケットで上位入賞を目指す。


【神戸大学】
昨年度2部リーグを制し、1部昇格を果たした神戸大学。ドライブインからミドルレンジまでこなす蔵田秀和(3年・清教学園高)、破壊力抜群のオフェンス力を持つ蘆田隆行(3年・横浜緑ヶ丘高)のツインタワーを筆頭に、精神面でチームを支えるキャプテンの岩本優太(4年・倉敷青陵高)、堅いディフェンスで敵のキーマンを抑える堀江剛司(3年・千里高)、アウトサイドシュートや多彩なドライブが魅力の秘密兵器・中西圭太(2年・桐蔭高)など、昨年度の主力メンバーは今年も健在。神戸大学の秘められた力が1部リーグ下克上を巻き起こす。

二部展望

1部昇格を狙う過去最強の2部集団。関西選手権で数々の1部チームを蹴散らし堂々3位の同志社大学、同じく数々の1部チームに勝利し勢いに乗る大阪経済大学、西日本大会でベスト16入りを果たした流通科学大学、上背は無いがスピードチームのびわこ成蹊スポーツ大学など、昨年度に比べて大きな飛躍を見せている。1部リーグにも劣ないハイレベルな戦いに注目である。

三部A展望

混戦必至、波乱も十分に有り得る3部Aリーグ。最後まで走りきる全員バスケットが魅力の大阪工業大学、高いオフェンス能力を誇る神戸学院大学など、チーム力に大きな差がないだけにどのチームも優勝が可能。彼らが目指すのは2部昇格のみ。

三部B展望

予測不可能、実力者揃いの3部Bリーグ。高さで他を圧倒する大阪芸術大学、高いシュート力を誇る近畿福祉大学など、一試合ごとに成長する若いチームの可能性に期待。各チーム、それぞれの個性を生かし上位進出に向けて突き進む。

四部展望

優勝候補不在、新規加入チームの昇格も十分に考えられる4部リーグ。安定感のある堅いバスケットを展開する芦屋大学、西日本選手権で粘り強い戦いを見せた奈良教育大学などチーム力は抜群。他のリーグにはないものがここにはある。